アプリボットモーションチームが語る、「アプリボットリグ」にかけた熱い想い

 アプリボットは、自社初となるフリーリグ「アプリボットリグ」をリリースいたしました。今回は「アプリボットリグ」の開発に携わった社員へのインタビューを行い、制作に至った経緯や「アプリボットリグ」に込めた想いについて聞きました。


<プロフィール>

(左) 伊東 弘史(Hiroshi Ito)

映像業界でアニメの3Dパート部分や映画、遊技機の映像制作などを担当。その後ゲーム業界に転職し、2021年にアプリボットに中途入社。現在は新規タイトルの3Dモーション制作を担当。また専門学校にてゲームモーション講師にも従事。

(右) 川原 武将(Takemasa Kawahara)

コンシューマーゲーム開発会社にてインゲームバトルモーションのリードを務めた後、2022年にアプリボットに中途入社。現在は3Dモーションの責任者として品質管理を担当。インターンシップ育成や新卒採用など若手人材の教育にも注力。



◆目指したのは「すべてのアニメーションを勉強する上で使いやすいリグ」


ーーーアプリボットリグを制作するに至った経緯を教えてください。

川原 モーションをつくっていく過程で「いつかフリーリグをつくりたい」という想いがありました。数年前まではフリーリグというものがメジャーではなかったのですが、株式会社モックス様がフリーリグを発表され、世の中の流れが少し変わったなという印象がありました。そこで当時在籍していた会社でフリーリグ制作を試みたのですが、なかなかハードルが高く実現には至らず、しばらくこの想いを封印していたのですが、今年アプリボットのモーションチームに新卒が配属されたことをきっかけに、フリーリグ制作への想いが再燃しました。

   リグ制作はモーション担当のみならず、アートやモデリングなど様々な職種の方と連携して制作する必要が出てくるのですが、今回は新卒の方がモーション、モデリングどちらの知見も持ち合わせていたことで「アプリボットリグ」の制作を大きく加速させる事ができました。「アプリボットリグ」は制作を新卒の方が担当し、進行管理を伊東さん、ディレクションを私が行い、結果モーションチームだけで進めることができました。


伊東 「新卒の成長と組織の成長に繋がる施策は無いか?」と考えたとき、会社や事業のみならず、社会に貢献できるような施策として、フリーリグ制作を課題にしました。


ーーー「アプリボットリグ」を制作するにあたり、周囲のメンバーからはどんな反応がありましたか?

川原 まず、担当役員の彰吾さん(竹田)に「新卒の課題としてフリーリグを制作したい」と相談したところ、すぐに「いいですね、ぜひやりましょう」という回答をいただきました。前職では様々な要因がありなかなか許可を得ることができなかったこともあり、すぐにOKが出たことにとても驚きました。アプリボットのフットワークの軽さがあったからこそ、フリーリグ制作が実現できたと思っています。


ーーー「アプリボットリグ」を制作するにあたり、こだわったポイントを教えてください。

川原 特に肩の部分はこだわって制作しました。インターンシップのメンターを務めた際に肩を使えていない学生が多くいらっしゃいました。理由を紐解いていくと、世に出回っているリグは肩の構造が簡素なものが多く、そのため肩の動きを学ぶ機会が損なわれているのではと考えました。今回制作した「アプリボットリグ」は肩の部分を強く意識したことで、しっかりとしたシルエットをつくれるモデルになったと思います。


伊東 モデルは等身が高すぎても低すぎても良くなく、難易度が高すぎたり簡単すぎても、なかなか手にとってもらえない。それを踏まえ、しっかりと等身がありつつも揺れモノも付いている「すべてのアニメーションを勉強する上で使いやすいリグ」というコンセプトにこだわりました。また、せっかくフリーリグをつくるなら、IPに影響されない、学生の方が使いやすいリグである点もポイントです。

   2Dのデザインも自分たちで描き起こし、3Dモデルに関しても自分たちで監修しました。チーム全員が3Dモーションアーティストですが、自分たちでできることは何でもやろう、と。「アプリボットリグ」の制作に対する想いや熱量は、全員で意思統一もしっかりできていて、同じ方向を向いてものづくりができました。


◆アプリボットには、新しいチャレンジを応援してくれる文化がある


ーーーモーションチームの普段の関係性やチームの雰囲気を教えてください。

川原 業務外でもほとんどみんな一緒にいますね。昼休みも食事に行った後の空き時間でボードゲームをして遊んでいます。ボードゲームはみんな大好きで談笑しながら勝負しています。白熱してくるとジャンケンだけでも楽しくなってきますね(笑)。


伊東 盛り上がりますよね(笑) 。他にもアニメの原画の話から社会情勢まで、色々議題に上げて話し合っています。みんなで持ち寄った情報で意見や発想がたくさん出るので話は尽きないですね。

   私は今回はじめてトレーナーとして新卒の育成を担当することになったのですが、日々自分にとって刺激になることが多く驚いています。自分の意識も底上げされるというか、しっかり自分の成果もアウトプットしなければ、すぐに若手に追い抜かれてしまう危機感も感じます。トレーナーとトレーニーという関係性というより、お互いが刺激しあいながら一緒に切磋琢磨できる仲間という感覚が近いかもしれません。


川原 若い世代の方の成長が今後のゲーム業界にとって大事なことだと思っています。ベテランが業界を牽引するだけでなく、若手の方が押し上げてくださることで、ゲーム業界がさらに盛り上がっていくことを願っています。今まで以上に若手発掘や育成にも力を注いでいきたいです。


ーーーアプリボットに中途入社されたお二人から見て、アプリボットはどんな会社ですか?

川原 ある程度裁量を委ねられている点が、とてもありがたいなと感じています。今回「アプリボットリグ」を制作するにあたり、本来ならばなかなか制作する工数やスケジュールが取れないことが多いのですが、自身の裁量でスケジュールをコントロールすることができたり、周囲のメンバーが「アプリボットリグ」制作を応援してくれていて、忙しいなか他タスクを巻き取ってくれたおかげで早期リリースに至ることができました。また、周囲のサポート体制や、新しいチャレンジを応援してくれる文化も、アプリボットの良いところだなと感じています。


伊東 キャラクターや個性は様々ですが、とても和気藹々とした雰囲気で、親しみやすい仲間が多い環境です。年齢層も、20代、30代、40代それぞれのメンバーが活躍していて、とても刺激になります。若手の方にとっても、様々な年代の先輩の話や知識を吸収しやすい環境なのではと思います。そして、年功序列ではなく、お互いがリスペクトの気持ちを大切にしつつ、意見すべきところはしっかりフィードバックしあい、お互いが吸収しあえますし、変に気遣いをするような雰囲気もなく、心地が良い環境だと感じています。



◆モーションチームから世界震撼を目指す


ーーーモーションチームの今後の目標を教えてください。

川原 モーションのみならず、周辺領域への知見やノウハウを蓄積していきたいです。最近はカメラワークや演出にも携わることが多いため、週1で勉強会を開催しています。みんなで様々な動画を見て意見を交わし、楽しみながら知識を深めていくような施策を行っています。


伊東 モーションチームの仲間と集まり専門的な話をすると、とても盛り上がるんです。新しいツールや技術について自分ひとりで調べて学ぶより、仲間で集まって共有し合い意見が飛び交うことで、情報の質がどんどん上がっていく体感があります。モーションの話で熱くなれる仲間をもっと増やしていきたいですね。モーション界において日本一のトップ集団となり、ゆくゆくは世界で「アプリボットのモーションは世界トップクラスだ」と言っていただけるような集団をつくりたいです。


川原 まさに世界震撼ですね!


伊東 そうですね!私の5年後くらいのビジョンです!


川原 伊東さんの言う通り、将来的にはアプリボットのモーションチームが、業界の中でより認知してもらえる状態を目指したいですね。SNSでよく使われている著名なリグの中に「アプリボットリグ」も候補のひとつとして参入できたらいいなと思っています。「アプリボットリグ」がSNSやデモリールなど、いろんなところで目にするようになると嬉しいです。


ーーー「アプリボットリグ」を、みなさんにどのように活用してほしいですか?

川原 学生の方のみならず、ベテランのクリエイターの方にもぜひ触ってみて欲しいですね!ベテランの方がアプリボットリグを扱うことでどんな動きが生み出されるのか、同じような条件下でも様々な表現方法があるという気づきを得ることができると感じています。日本のみならず、海外のクリエイターの方にも使っていただきたいです。

   また、「アプリボットリグ」を新卒クリエイターが制作したということもぜひ知っていただきたいです。学生の方にとっては「新卒でこのレベルのものがつくり出せる」という指標となり、ベテランの方にも若手クリエイターの成長スピードやものづくりへの熱量の高さを感じていただける機会になると良いなと思います。


伊東 「アプリボットリグ」に加え、サンプルモーションも一緒にリリースしようと検討しており、ダウンロードした方がデータの中身まで見れるような状態にしたいと考えています。「プロのFカーブ構造はどうなってるんだろう?」と参考にしてくださると、とても嬉しいです。プロのクリエイターの方々がデータを開示する流れができたら、若手クリエイターのレベルもどんどん上がっていくのではと思っています。


川原 今回、初級編と中級編をそれぞれリリース予定です。それぞれリグの構造が異なっており、初級編はなるべく複雑にせず、かつ、欲しい機能がしっかり内包されているようにしています。中級編は初級編のさらに1ステップといったイメージで、リバースフットを複雑にしたり、ボディ構造を変えたり武器種を増やしたりなど、よりこだわれる仕様を追加して差を付けています。いつか上級編もリリースしたいですね!


ーーー最後に、「アプリボットリグ」を使ってくださる方へ一言お願いします!

川原 「アプリボットリグ」でつくった作品をぜひSNSで動画にして公開していただきたいです。私たちも皆さんの作品を楽しみにしております!


伊東 まず、一度使ってみていただきたいです。使いやすさや「初級編でもこんなに動くんだ」という多機能さを実感していただけると思います。初級編からスタートし、中級編を使ってステップアップしていくことで、基礎から応用まで学ぶことができると思います。ぜひ、素敵なモーションを制作していただきたいです。




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