28歳でアプリボット最年少執行役員に。成果を出し続けるために徹底していることとは

執行役員、「NieR Re[in]carnation」プロデューサー/ディレクター、企画ボードの責任者など様々な肩書きを持つ松川。若くしてアプリボットのキーマンとなっている松川に、仕事への向き合い方、チームづくりで意識していること、今後の展望などについてききました。

松川 大地(Daichi Matsukawa)

2015年サイバーエージェント入社、アメーバゲーム事業本部にて新規ゲームプランナー、運用タイトルプランナー、マーケティング、データマイニングを担当。2016年クオリアーツに異動し、運用タイトルのディレクター、プロデューサーとして携わる。2017年アプリボットに異動、「NieR Re[in]carnation」のプロデューサー/ディレクターとして従事。2019年10月よりアプリボットの執行役員に就任。


◆誰よりもゲームに向き合っている自負があった

ーーー今の業務内容について教えてください。

「NieR Re[in]carnation(ニーア リィンカーネーション)」のプロデューサー兼ディレクターをしています。本タイトルは株式会社スクウェア・エニックス様と制作・開発を進めております。そのほか、執行役員、企画ボードや複数進めている新規開発の進捗などを横断してみる責任者も兼任しています。ゲーム事業(※SGE)全体を俯瞰して事業的な判断や人事的なこと考える組織にも属しています。

※SGE(Smartphone Games & Entertainment)

サイバーエージェントのゲームやエンターテイメント事業に携わる10社以上の子会社が所属する事業部。


ーーー昨年の10月より執行役員に就任しましたが、どのような経緯で選ばれたのでしょうか?また何か変化はありましたか?

執行役員への就任は突然の発表だったため、とても驚きました。事前に何も知らされず就任が決まったため本当にサプライズでしたが、これまでに取り組んできた様々なことを評価してもらえたのかと思うと素直に嬉しかったですね。


やるべきことはこれまでと変わらずしっかり進めていこうと思っています。ただ、意識的な部分は変わりましたね。もともと「会社を背負っている」という意識は持っているつもりでしたが、肩書きが一つ増えることでその気持ちがより強くなりました。そのほか明確に変わったと感じることは、周りから入ってくる情報が増えたことです。今までは会社全体のことをざっくりと把握していましたが、各プロジェクトの開発状況や人周りのことなど細やかな情報も入ってくるようになり、周囲から頼られる頻度が増えたように思います。会社全体のことを考慮して様々な判断をするようになったのは、自分の変化として大きいと思います。


ーーー企画ボードの責任者はどのような経緯で選ばれ、どのようなことを行ってきたのでしょうか?

もともとは企画ボードの運営メンバーとして立ち上げから関わっていました。当時、技術ボードやクリエイティブボードはあったものの、企画力をいかに向上させていくかなどを考える組織がありませんでした。新規サービスなど市場に対してクオリティの高いものをリリースしていくためには、ゲームの根幹となる企画力を引き上げていく必要があります。運営メンバーとして自分なりに考えて色々と動いていたところ、責任者として立つことになりました。当時から誰よりもゲームに向き合っている自負がありましたし、厳しいことを人に言える性格であることなどを踏まえての人選だったと思います。


企画ボードでは、企画をつくる上で軸になる考え方をまとめたり、メンバー1人1人がもっと身近にゲームに触れられるように課金補助制度の仕組みを整えたりしました。そのほか、開発を進める中で他プロジェクトにも転用できる機能を積極的に共有できるようにし、クオリティアップに時間を割けるようにするなど様々な取り組みを実施してきました。



◆信じてついてきてもらえる状態をいかにつくるか

ーーー「NieR Re[in]carnation」プロジェクトの責任者として、意識していることはありますか?

「誰よりもゲームをやり込んでいる松川が言うならそうなんだ」と思ってもらえるくらいゲームをやりこむことは意識していますね。コンシューマーゲームでもスマートフォンゲームでも、新しいゲームが発売されたらとにかくプレイしてインプットするということは、社会人になって以来、一貫して続けています。そして、インプットしたことを周囲にも伝えるようにしています。例えば、朝会のアイスブレイクで面白かったゲームを紹介したり、プレイした感想をメンバーに伝えたりするようにしています。プロデューサーはプロジェクトメンバーに道を示す役割を担っていると思っています。チームをつくるときにも「松川が集めたからいいよね」と思ってもらえる存在になっていなければ、メンバーも信じて前に進むことができないと思います。日頃の行いや発言を通してメンバーに信じてついてきてもらえる状態をいかにつくるかは、すごく意識しているところですね。


―――チームづくりで意識していることはありますか?

個人的に、チームビルドのことは「力学」だと考えています。どのメンバーと合いそうか、どのポジションだったら誰とどのような話をしていそうかなどを想像してチームメンバーを選んでいます。もちろんどのようなスキルを持っているかも大事なのですが、どちらかというと相性や関係性を重視してします。そのほかに、意外と「席替え」も大事にしています。開発のフェーズによってメンバーそれぞれが話す内容は変わるため、業務を合理的に遂行することや、モチベーション向上などを目的に配置を考えています。毎回理由を告げずに席替えを行うのですが、最近はチームメンバーも意図を汲み取ってくれるようになってきました。

◆ヒットタイトルを出すことは、ものづくりをする人間として尊いこと

―――モチベーションはどのように維持していますか?

モチベーションの源泉はいくつかあるのですが、1つは、最終的に「すごくいいものをつくりたい」と考えているため、その目標に向かってやりがいのある環境で働けていることや、良いメンバーに恵まれていることがモチベーションに繋がっていると思います。また、新卒の頃は同じプロジェクトのプロデューサーであったり、今ではライバル企業であったり、超えたい人や企業が常にアップデートされ続けるため、その目標がある限りはモチベーションは落ちないと思いますね。私の場合、「自分が目立つこと」もモチベーションの源泉になっています。飲み会などの場で、「次はどんなことをしたいの?」や「将来どうなりたいの?」という話題になった時、説明する際に単語としてよく使うのが「Look at me」という言葉です。もちろんつくりたいものもあるのですが、それ以上に「自分が注目を浴びたい」という気持ちが今の原動力になっていると感じることが多いですね。


ーーー目標を実現させるための手段として、なぜゲームを選んだのでしょうか?

ゲームはコミュニケーションツールとして子供の頃から触れてきたもので、親しみがあるというのが理由の1つです。またゲーム市場はビジネスとしても大きく、それだけ人の心を動かしたり惹きつけたりする力を持っているものなのだと思っています。ですので、ゲーム市場でヒットタイトルを出すというのは、ものづくりをする側の人間としてとても尊いことだと考えています。


◆多岐にわたるビジネス、個性を大切にする文化が魅力

ーーーアプリボットは、どのような会社だと思いますか?

会社としてゲーム開発だけでなく様々なビジネスとしているところが魅力だと思います。海外プロダクトの日本展開におけるコンサルティングなどを行っているグローバルパートナー事業部、オタクカルチャーに特化したビジネスをしている株式会社ニジスタ、音楽イベントなどを行なっているイベント事業部など、身近なところでこれだけ多岐にわたるビジネスをしているメンバーがいて刺激をもらうことができ、良い環境だと感じています。


様々な事業を行っているおかげで、アプリボットは本当に個性の強い人が多いと思います。笑 言い換えれば、それぞれの個性を大事にしている社風でもあると言えます。「何ができないのかより、何ができるのか」を組織全体で考えることを大切にしているところは、アプリボットのいいところだと思います。「人」に向き合っている人が多い会社ですね。



◆ものづくりにワクワクできる会社をつくる

―――今後の展望について教えてください。

直近は、「NieR Re[in]carnation」を無事にリリースすることですね!中長期の目標では、ものづくりにワクワクできる会社をつくっていきたいと思っています。開発における課題は組織的にきちんと解決して、各プロジェクトが良いものをつくり、良いものをつくっていると思えているメンバーが増えていけば、素晴らしいものづくり集団になるはずです。さらに、この考え方に同調してくれるメンバーが増えていき、面白いものをたくさん仕込み世の中にアプリボットという名前を残していくことができれば、会社がビジョンとして掲げている「世界震撼」も実現できるのではないかと考えています。



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