業務効率化を促進!~たった2時間で338個もの業務効率を図れた「やめる会議」とは?~

先日、アプリボットでは、「効率化とはやめることである」をテーマに、自分の業務を振り返り、「やめてもよさそう」なことを洗い出し議論する会議「やめる会議」を初めて開催しました。今回は、「やめる会議」を企画・主催した前田に、その背景や分析結果も併せて話を聞きました。


▲前田貴文 <Takafumi Maeda>

<プロフィール>

2010年サイバーエージェントに新卒入社し、Amebaに配属。2012年に株式会社アプリボットへ異動し、『ジョーカー 〜ギャングロード〜』の前作である『不良道 〜ギャングロード〜』のプランナーを経てプロデューサーへ。同年App Storeトップセールス1位を獲得。2014年1月から『ジョーカー〜ギャングロード〜』のプロデューサーを務める。現在は「BLADE XLORDーブレイドエクスロードー」のリードプランナーとして従事。



◆時間の有効活用と働きやすい環境作りを同時に実現

―――「やめる会議」開催の経緯を教えてください。

前田:社内で「超CRチーム(※1)」という、業務効率化を図るチームを発足し、以前から活動をしていたのですが、そのチームメンバーもそれぞれ日々の通常業務があるため、効率化することだけに向き合って考える時間をなかなか取れずにいたんです。効率化したほうがいいことはわかっているけれど、そのための時間を割く余裕がなかったといいますか…。あと、そもそも日々の業務のほとんどは上司や先輩から依頼されますよね。そんな中、自分よりも上の立場の人に「この業務本当に自分がやるべきですか?」「これは無駄な作業だと思います」なんて、面と向かっては言いづらいのではないかと思ったんです。そこで、思い切って会社全体のイベントとして取り上げ、6プロジェクト、全17チームに分かれて、さまざまな職種や年次からの視点で、「一気に自分たちの業務を効率化する=不必要な業務をやめる場」を設けることにしたのです。これも一種の「効率化」ですね。

(※1:CRとは、R=ルーティン業務を効率化して、生まれた時間で新たなC=チャレンジをすること。)



◆オンラインでの開催が思わぬ「効率化」に

前田:昨今の社会情勢を鑑みて、新型コロナウイルス感染防止対策の一環として、今回はオンライン上で開催する形を取りました。結果的に、来年以降もこの形を取りたいくらい効率的な方法でした。というのも、従来の顔を突き合わせての案出し会議だと、ポストイットを用いてそこに案を書いて、貼って、まとめて、の三工程があると思うのですが、オンライン上の開催の場合、スプレッドシートに参加者全員で同時に書き込むだけで作業が完結するのです。しかも、打ち合わせをするための移動時間などの細かい時間短縮も図れました。

▲オンライン会議での様子



◆ルーティーンに疑問を持つことが大切

―――決議した案は全部でいくつですか。


前田:当初の目標は200案でしたが、それをはるかに上回る338案が決議されました。もちろん量よりも質だとは思いますが、こんなにたくさんの「無駄な作業」をやめることが出来て、非常にすっきりしています。ちなみに、総提案数は435案でした。「やめる会議」の開催時間は、案出し、決議、各チームの発表をすべて含めて二時間程度だったのですが、その短時間でこんなにたくさんの案が出た生産性の高さに感動しました。オンライン開催の利点によって生み出せた数値だと感じています。


―――優良決議案を教えてください。

前田:一番は「朝会や夕会での細かい共有をやめる」ですね。これは、文字にすると決して大した事ではないように感じるかもしれないのですが、会議への参加人数や年間を通して考えると非常に大きな時間短縮を図れました。朝会や夕会などの作業進捗を確認する短い会議は、特別な理由がない限り必ず毎日開催されます。ですが今まで「朝会や夕会を実施すること」が重要と捉えていて、その中身や質を気にしていなかったので、その場で共有しなくてもいいような細かい粒度の報告までおこなっていたのです。その会議に参加するメンバーの時間をただ無意味に奪っているだけだったので、今後は報告スタイルを変え、一部テキスト化する方針となりました。その他に良かった決議案を上げるとしたら、仕事のオンオフをしっかり区別するための「休日や業務時間外の仕業務連絡をやめる」や、責任者や管理者が進捗確認や問題把握がしづらくなる要因である「業務連絡を個人チャットでするのをやめる」などがあります。



◆「やめる会議」で提案された案からの分析結果

前田:業務フロー改善の案が非常に多く、全体の36%を占めていました。会議の取り止めや時間短縮系も15%を占めていたので、同じ括りで換算すると過半数以上が業務フロー改善案だったことになります。同じような案が何人もの人から出ていて、皆言わないだけで本当はやめたがっていたことが分かりました。とくに多かった業務フロー改善内容をいくつか簡単に紹介すると、「チャット上で私信での業務依頼をやめる」「差し込み業務をなくす」「データの管理方法を統一する」などがありました。逆に、職種による内容の差はあまりなく、「新規開発中のプロジェクト所属か、サービス運営中のプロジェクト所属か」程度の差しかなかったです。新規開発中のプロジェクトよりも、サービス運営中のプロジェクトの方が、普段から意識して会議の時間短縮を図っていたり、定期的に無駄な作業の取り止めをおこなっていることも分かりました。新規開発中のプロジェクトは、会議の時間短縮や定例の見直しを意識的にしたほうが良いかもしれません。


―――「やめる会議」を経て、どう変わりましたか?

前田:「やめる会議」を開催する一番の理由だった、「面と向かって言いづらい無駄な業務」を洗い出し、しっかり「やめる」ことが出来ました。また、会社全体で議論する場を設けることによって、個々の考えを知れたり、意見交流も出来たりしたので、そういった意味でも非常に有意義な時間だったと思います。会議後、まだあまり日が経っていないので、具体的にどう変化したかを明言するのは難しいのですが、既に時間の使い方が良い方向に変わってきているように感じます。「やめる会議」は、決議案が実行されているかをしっかりと追うことも重要なので、今回決議された案の遂行まで、責任をもって執り行います。

会社全体で実行し、各チームごとに効率化について向き合い、議論する時間は非常に貴重に感じました。今後も「やめる会議」は定期的に開催する予定ですので、さらなる業務効率の向上に期待しています!