「会社員イラストレーター」として働く醍醐味とは―。アートディレクター対談

 アプリボットではイラストレーターやアートディレクターの積極採用を行っております。今回はアプリボットで活躍しているアートディレクターへインタビューを行いました。アートディレクターとして活躍する二人がどのようなキャリアを経て、現在どのような業務に携わっているのか、また作品制作や「会社員イラストレーター」として働く魅力などについて聞きました。


<プロフィール>

(左)羽山 晃平(Kohei Hayama)

2012年よりフリーランスのイラストレーターとして活動を開始し、「マジック:ザ・ギャザリング」や「神撃のバハムート」「ダークサマナー」などスマートフォンゲームやカードゲームのイラスト制作を担当。2020年にアプリボットに参画し「NieR Re[in]carnation(※)」のコンセプトアートを担当。現在は開発中プロジェクト(タイトル非公開)のアートディレクターとして従事。X:@nekoemonn

※開発:アプリボット、企画・制作:スクウェア・エニックスによるスマートフォン用ゲームアプリ。現在はサービス終了。


(右)福田 百々治(Momoharu Fukuda)

2019年にサイバーエージェントへ新卒入社、アプリボット配属。「NieR Re[in]carnation」のキャラクターデザインを担当。その後、「声優と夜あそび」グッズ・マスコットデザインや京都芸術絵大学の非常勤講師を経験し、現在は運用中スマートフォンゲームタイトルのクリエイティブディレクターとして従事。X:@momo_jiru_44




ーーーお二人の学生時代について教えてください

羽山 物心ついたころからずっと絵を描いていました。鉛筆とチラシの裏を毎日祖母にねだっていたのを覚えています。学生時代もノートの端や机の上等、描けるものにはなんでも描いていました。当時「モンスターハンターシリーズ」にハマっていて、Web上のお絵描き掲示板でデジタルで絵を描くことと出会い、そこから毎日パソコンにへばりついていました。


福田 ものづくりが趣味の祖父の影響と、遊び相手やモノが少ない田舎で育ったことから、僕も物心ついた頃から絵を描いてました。手遊びの延長でずっとやっていることという感じです。その後、漫画を読むようになってからは一層絵を描くことにのめり込み、模写ばかりしてました。


羽山 中学3年生のころに同人ゲームをつくっている方に声を掛けていただいたことをきっかけに「誰かのために絵を描く難しさと楽しさ」を知りました。当時はpixivで自分が描いた絵を発信するなど活動しており、様々な方からお仕事のお声かけをいただくことが多く、プロとして活動してみたいという気持ちが芽生えました。また、ゲームと絵を描くこと以外にあまり興味を持つことができなかったのもあり、社会から逃げたい気持ちも正直ありましたね。


福田 明確に「絵を仕事にする」ということを行動に起こしたのは中学生のころで、週刊少年ジャンプに漫画の持ち込みをしました。若さゆえの勢いを買っていただけたのか、担当さんと一緒に何本か作品をつくったものの、得意だと思っていた絵のクオリティもまだまだで、精神面や考え方の未熟さから挫折してしまい、まずは絵を描くことだけでもしっかり突き詰めてみようと決意しました。



ーーーフリーランスではなく、あえて会社員として働くことを選んだきっかけはありますか?

福田 美術予備校を経て私立の美大に入れてもらったので、親に安心してもらうのと高い学費の元を取るために就職はマストでした。加えて絵で生計を立てているという実感を得るためにも、ある程度大きなコミュニティの中で求められる人間になるべきだという感覚が漠然とありました。


羽山 私は福田さんと異なり、当初高校を出てからはフリーランスとして活動していました。いわゆるソーシャルゲームバブルと呼ばれる時代で、ありがたいことにたくさんお仕事のご相談をいただき、高校在学中に一人で生活できるほどのお金を稼げるようになっていました。もともと学校生活が嫌いだったこともあり、逃げるようにして高校を退学してフリーランスでの活動を開始しました。

 フリーランスで活動して感じたメリットは、とにかく様々なタイトルに関われたこと、また自分の好きなものに100%注力できたことです。とにかく必死に毎日を生きていたこともあり、フリーランスの先輩や仲間にも恵まれ、充実した日々を送っていました。一方でデメリットに感じたことは、常に孤独だったことです。フリーランスであるがゆえ、イラスト制作業務だけでなく、事務やマネジメント、プロモーションなどをすべて一人でこなさなくてはならないため「誰も頼ることができない」という気持ちが常に付きまとっていました。また、ただ仕事を請け続けるだけでは市場価値が上がりにくく、一定の戦略性を持った行動と正確性が求められるため、自分の能力だけでこの仕事を死ぬまで続けるには難しい世界だとフリーランス5年目くらいで感じました。ただただ「勉強していれば良かったー!」と後悔ですね(笑)。実際に今のクリエイター市場で活躍しているイラストレーターさんは、絵を描く技術のみならず「総合力」が高い方が活躍していらっしゃる傾向があるように思います。



ーーー数ある中でも、ゲーム業界やアプリボットを選んだ理由を教えてください。

福田 スマートフォンゲーム業界は短期間で開発サイクルを回すスタイルが多いと聞いたため、場数を踏むことで早く成長できるのではと考えていました。あとは正直な理由として、絵描きの働き口として比較的収入や福利厚生が安定しているからですね。

 ゲームに強いこだわりがあったわけではなく、幅広くスピード感を持って修行できるようなところを探していました。サイバーエージェントのゲーム事業部のグループ会社の多さはチャンスの多さのようにも思えて、即決で入社を決めました。


羽山 フリーランス時代は広く浅く様々な企業様のプロジェクトに関わっていたので、ゲームオタクとしてはもっとディープにゲームに関わっていきたい気持ちがありました。また、個人での成長にも限界を感じていたため、新しい刺激が欲しかったのもあります。そんな中、アプリボットと縁があり当時は派遣社員として参画しました。同じフロアでプロジェクトの仲間とともにゲーム開発を経験したことで、想像以上にゲーム開発にディープに関われましたし、仲間のクリエイティブに対する高い熱量に感銘を受け、アプリボットで社員になりたいという気持ちになり社員になりました。


福田 入社してから美点に感じたのは、意志ある人に大きな裁量を持たせてくれる文化です。新卒1年目から元々大好きだったビックタイトルに関わらせていただき、かねてから「やりたい!」と騒いでいたLINEスタンプや4コママンガの制作にも携わり、興味があったプロモーションにまつわるイラストを担当し…と、裁量のある役割をいただいています。

 誰かがやらなきゃいけない状況だからということもありますが、いざというときに若手にもしっかり出番が回ってきやすいので早くから経験を積むことができました。


羽山 自分も本当に毎日自分にベットしてもらえている気持ちになっています。特に印象的だったのは、当時配属していたプロジェクトのアートチームがタスクや体制的に苦境にあったとき「もっとチームメンバーが伸び伸びと活躍できるようにしたい!」と、当時の上長にゴネていたら、「じゃあリーダーをやってみたら?」とさらりと提案をもらい、大きな裁量をもらえたことです。自分を信頼していただいた上で、新しい挑戦機会をいただけたことがとても嬉しかったです。リーダーとして抜擢されてからも、チームメンバーはもちろん、他セクションのリーダー陣も手厚くサポートしてくれて心強かったです。また、昇格や賞を受賞させていただいたときに、お祝いで上司や仲間とみんなでおいしいご飯を食べる瞬間が幸せで、やりがいを感じる瞬間です!


ーーー「アプリボットらしい」と感じるカルチャーや価値観はありますか?

羽山 アプリボットでは「もっとクオリティの高い絵を描きたい!」「後輩の面倒を見たい!」「ディレクションの能力を鍛えたい!」など、目標を宣言する機会が頻繁にあります。自分の夢や目標が、仲間や組織の成長にもプラスに繋がることであれば、しっかりチャレンジの機会を設けてもらえる会社です。例えば「後輩の面倒が見たい!」というイラストレーターがいれば若手であっても、インターンの学生さんのトレーナー業務を任せています。もちろん、経験詰んだ方もそっと見守りつつですが(笑)。


福田 有志で自発的に勉強会を開催するのも、アプリボットらしいカルチャーだなと感じます。芸大卒のメンバーによるデッサン会や、プライベートでイラスト制作にバリバリ3Dを活用しているメンバーからの実務に直結する講座などがあり、自分もとても勉強になっています。「会」というほどの規模にならなくても、メンバーそれぞれの個性・特技を発信しやすい環境なので、おのずと自分の得意分野の話が舞い込んできて、大なり小なり強みを活かして活躍しているメンバーが多数います。「コンセプト立てのことならこの人に相談しよう」「作品のクオリティアップならこの人に意見聞こう」と、バイネームで頼りになる仲間がたくさんいる環境です。


ーーー現在のアートチームに必要なスキルや能力を教えてください。

羽山 イラストレーターとしての基礎的画力の高さはもちろんですが、ディレクションや組織づくりの分野にも興味を持ってチャレンジしてくれる仲間が増えると嬉しいです。ゲーム開発の市場は日々進化しており、一つのやり方に固執したり、個人の力量に頼るだけのやり方では進化を続ける市場では通用しづらくなってきます。そんな中でも自分のスキルに縛られず、仲間の力にリスペクトをもって頼ったり、「良いゲームをつくる」という目的に向かって多くの知見を集めて活かすことができる人は非常に貴重だと思います。


福田 SNSが普及したことで「上手い絵」を目にする機会は増えました。AIの発展もあり、絵の上手さの一般化が進み、市場の目はかなり肥えているし慣れていると思います。一方で、エンターテインメントの飽和により細分化や深化が進むことで、市場のニーズをどう汲み取り、どうアウトプットするのか。つまり「刺せるか」が問われた結果、技術と審美眼を持った人に、絵の制作のみならず企画や運用など一貫してディレクションしてほしいという需要が高まってきていると思います。

 また、タスクに対して「どうしたら期待を超えられるか?より素早く解決できるか?」というプラスアルファの思考はどの業界でも常に求められている素養だと思いますが、そのアプローチを楽しんだり、独自性を織り交ぜて提案することに野心を燃やせるタイプだと尚素敵ですね。結果のみならず過程にも創造性を発揮できる人がいることで、周囲の仲間にも刺激を与え、シナジーが生まれ、組織としてものづくりを行うメリットにもつながると思います。


ーーーアートチームのビジョンについて教えてください。

羽山 アプリボットは「世界震撼」というビジョンを掲げていますが、アートチームもそれに紐づくかたちで「常に世界の最先端を往くアートを創造し続けるチーム」を目指しています。ただ、まだそのビジョンへ辿り着くまでの道のりは長く、まずはアートチームを「広げる」必要があると考えています。描ける絵柄の幅を広げる、ゲーム開発における技術領域を広げる、人の輪を広げる...というように、個人としても、組織としても強くなっていきたいという思いを込めて「広げる」というキーワードを大切にしています。


福田 「広げる」は大きなテーマですね。広げ方も重要で、ただ集まって1 + 1=2に広がるだけでは足りないんです。同じ目的地を目指し、チームメンバーがそれぞれ工夫し、特性を活かすことで発揮される化学反応的な大きな広がりをつくっていきたい。


羽山 まずはアプリボットとして良いゲームをつくり世に出すこと。そしてゲーム内の絵が評価されることを目指したいです。「良いゲーム」とは、世界に影響を与えることのできるクリエイティブが備わったゲームだと考えています。


福田 これはゆくゆくの目論見ですが、個人やセクションにフォーカスが当たりにくいゲームという集団芸術以外でもものづくりができたらいいなと考えています。ゲーム会社の1チームという規模ではなく、スタジオとして世間のアート需要にダイレクトに答えることで価値を高める方法を模索中です。



ーーー最後に、「こんな人と一緒に働きたい」という人物像を教えてください。

羽山 一人じゃダメでも、みんなと一緒であれば「世界」を目指したいと思ってくださる方と一緒に働きたいです。以前の私と同じように、フリーランスで働きながらモヤモヤを抱えているイラストレーターの方がいたら、とても働きがいのある環境だと思います。少しでも興味を持っていただけたら、アプリボットのコーポレートサイトでもいいですし、私のXアカウントからでもお気軽にご連絡いただけると嬉しいです。


福田 SNSが生活に溶け込み、いわゆる神絵師と自分を比較して絵の道を諦めてしまう人が多くいる現状にもどかしさを感じています。僕には学生の頃から絵の仕事をもらうような経歴は無いし、描く絵はSNS受けしづらいものばかりでした。そんな人間も会社での仕事を通じて成長し、今はイラストレーターとして結構楽しく働いてます。

 個人の作家性で戦うフリーランスはやっぱり花形だと思います。めちゃくちゃ憧れやリスペクトもあります。ですが、会社で働くイラストレーターにはまた違った強みや面白みがあるのをもっと知ってもらえたら嬉しいです。誰かを喜ばせたい、人と何かをつくりたいという気持ちと、絵を描く力、意欲がある人に「会社員イラストレーター」という選択肢が届いて欲しいです。




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