大規模開発と少人数開発、それぞれで経験を広げキャリアを磨く――ふたりのUIデザイナーが語る、アプリボットならではの成長環境とは

 株式会社アプリボットでは、強力なIPで世界的なヒットを目指す「AAA(トリプルエー)戦略」に沿った大規模開発と、少人数・短期間で職種や担当領域を越えながらスピード感を持って開発を進める「WWW(トリプルダブリュー)戦略」に沿ったハイブリッドカジュアルゲーム開発を進めるという目標を掲げています。今回は大規模ゲーム開発プロジェクトでUIデザイナーを務める乙川と、ハイブリッドカジュアルゲーム開発プロジェクトでクリエイティブディレクターを務める清田に、それぞれの開発体制やUI設計の考え方、異なる開発経験がキャリアにもたらすものについて話しを聞きました。


<プロフィール>

(左)清田 康貴(Koki Kiyota)

2023年サイバーエージェントに新卒入社。 アプリボットに配属後、「FINAL FANTASY VII EVER CRISIS」のUIデザイナーを経て、現在は新規開発中プロジェクトのクリエイティブディレクターを務める。

(右)乙川 知恵(Chie Otogawa)

2013年アプリボットに入社。「グリモアA〜私立グリモワール魔法学園〜」「SEVEN’s CODEーセブンスコードー」「NieR Re[in]carnation(© 2021-2023 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.Developed by Applibot,Inc.)(※)」など、複数のタイトルで開発・運用のUIデザイナーを経験した後、現在は新規開発中プロジェクトのUIデザイナーとしてUIのビジュアルデザインを中心に担当。

※開発:アプリボット、企画・制作:スクウェア・エニックスによるスマートフォン用ゲームアプリ。現在はサービス終了。


大小異なるプロジェクトが持つそれぞれの魅力

ーーーおふたりが所属しているプロジェクトの概要と、それぞれの役割を教えてください。

乙川 現在は大規模な新規開発プロジェクトにたずさわっています。開発の早い段階から全体で100名ほど、デザイナーだけでも10名ほどが参加しています。長期にわたって高いクオリティを追求していく開発体制をとっており、UIチームではゲームモードやデザイン領域ごとに担当を分けて開発を進めています。私はUIデザイナーとして、主にUIビジュアルの設計・制作を中心に担当しています。

清田 私はスマートフォン向けハイブリッドカジュアルゲームの新規開発プロジェクトにたずさわっています。少人数でスピード感を持って開発することを目的としており、予算や採算性だけでなく、育成という目的も含まれた体制です。普段はあまりゲームをプレイしない方にも楽しんでいただけるよう、幅広いユーザーを想定して開発を進めています。 私はクリエイティブディレクターとして、自らUI/UXにもたずさわりながら、プロジェクト全体のクリエイティブを統括しています。


ーーー現在のプロジェクトの魅力や、そこで実現したいことを教えてください。

乙川 自分のクリエイティブによって作品の魅力を高め、世の中で一つの指標となるようなヒット作を生み出したいと考えています。そのため、専門性の高いメンバーとともに、さらに高いクオリティを追求できるところに魅力を感じています。大規模なチーム編成で開発できる機会を最大限に活かし、チームの総力で作品をよりよく磨いていきたいですね。お客様やファンの方に喜んでいただけることはもちろん、市場にもインパクトを与えられる作品に仕上げたいと考えています。

清田 少人数で進めるプロジェクトだからこそ、発足からリリースまで一貫して関わり、自らの判断を頼りにプロダクトを短期間でつくりきる経験ができることに魅力を感じています。クリエイティブディレクターがたずさわる領域は、UXや情報設計、グラフィック、アニメーションだけでなく、場合によってはグッズ制作にまで及びます。こうしたオーナーシップを持ってプロジェクトを前に進められることも、小規模開発ならではだと思います。

ユーザーストレスを最大限まで下げ、面白さにつなげるUI設計

ーーー開発規模やターゲットが異なるなかで、UI設計において大切にしていることは何ですか?

清田 「難しく見せないこと」「迷わせないこと」「エンタメとして面白く見せること」はどちらのプロジェクトにも共通する考え方だと思いますね。そのうえで、ハイブリッドカジュアルゲームでは「まずは触ってみよう」と思ってもらえることを重視し、直感的に「楽しそう」「気持ちよさそう」と感じていただくことを大切にしています。説明を読み込まなくても、操作方法やゲームの面白さが直感的に伝わる設計を目指しています。

 導線についても、できるだけ早くインゲームへ到達しゲームそのものの楽しさを体験してもらえるように、ホーム画面からゲーム開始までを1ボタンで遷移できないか検証を進めています。シンプルなUIを目指しますが、ただ要素を減らせばいいわけではないというところがポイントです。少人数で素早くPDCAを繰り返しながら、「インゲームを面白くする」という軸を明確にし、操作感や演出などプロダクトの魅力に直結する部分を見極め、磨いています。

乙川 大規模プロジェクトでは情報量が多く画面も複雑になりやすいため、いかに情報を整理して見せるかを特に意識しています。例えば、ゲームに慣れていないお客様は、最初に表示される情報だけでも遊び始められるように、詳しく知りたいお客様には画面の奥へ進むことで細かな情報まで確認できるように整理しています。情報を足していくのではなく、「今この画面で本当に必要な情報は何か」を見極めながら階層を分けることで、迷わずにプレイでき充分に情報をキャッチできるという構造を目指しています。

 また、インゲームだけでなくアウトゲームも含めて、作品の世界へ自然に没入してもらうことも大切です。画面構成やグラフィック、インタラクションを細部までつくり込み、ピクセル単位で調整を重ねながら体験全体を磨いています。開発状況を踏まえて優先順位を見極めつつも、理想とする体験から逆算して、時間の許す限り磨きこみます。



「自ら職種の垣根を超える」ものづくりのエンジン

ーーーそれぞれの開発環境ならではのやりがいは、どのようなところにありますか?

乙川 私は各領域の専門家が力を持ち寄り、一人ではつくれないものを一つのプロダクトとして完成させていく、総合芸術のような面白さにやりがいを感じています。例えば、私がつくったグラフィックをアニメーション担当に動かしてもらうことで、想像していた以上の表現になることがあります。そこへエンジニアによる実装面での工夫が加わることで、アウトプットの可能性がさらに広がっていきます。それぞれの得意分野や専門性を掛け合わせながら、表現にこだわり細部まで追求することも、大規模開発ならではの魅力だと思います。

清田 少人数で進めるプロジェクトでは、一人一人がプロダクトに与える影響が大きいため、自分のアイデアや判断がダイレクトにゲームのクオリティにつながっていくことに大きなやりがいを感じています。「デザイナーだから企画が決まるまで待つ」という動き方では開発が進まないため、企画が停滞しているのであればデザイナーも議論に参加してサポートするなど、職種の垣根を越えてプロジェクト全体を見ることが求められます。常に「プロジェクトを前に進めるために、自分に何ができるか?」を考えながら動く必要がある分、自身の判断が形になりプロダクトが前に進んだときの手応えも大きいです。

ーーーやりがいを感じる一方で、難しさを感じるのはどのような点でしょうか。

乙川 大規模開発で難しさを感じるのは、世界観やデザインの判断軸が十分に固まっていない段階でも制作を進めながらプロジェクト全体の方向性を探っていかなければならないことです。多くのセクションが並行して動いているため、すべての判断軸が順に定まるのを待ってから制作を始められるとは限りません。

 私自身、世界観が明確に決まっていない段階からグラフィック設計を担当しました。ワイヤーフレームは用意されていたものの、どのような世界観を落とし込むのかが十分に定まっておらず、さまざまなアウトプットを試しても「これではない」と感じる状態が3か月続きました。そこで、作品のもととなるイラストやモチーフを自ら改めて言語化し、レイアウトから見直すことで徐々に方向性を見いだすことができました。この経験を通じて世界観をUI表現へ落とし込む力を鍛えられたと感じています。

清田 乙川さんは複数のプロジェクトでリリースまでを経験していますが、私はまだ一つのプロジェクトを初期からリリースまで一貫して経験したことがありません。だからこそ今取り組んでいることがこの先の工程にどうつながるのか、次の段階までにゲーム体験をどのような状態にしておくべきなのかを想定しながら判断することに難しさを感じています。そのため、自分で判断しながらも同じプロジェクトの仲間はもちろん、別のプロジェクトでリリースを経験したメンバーにも都度相談し、社内にある環境や知見を積極的に活用することを意識しています。

「経験で深まる」キャリア、「挑戦で広がる」キャリア

ーーー異なる規模や役割のプロジェクトを経験することは、おふたりのキャリアにどのようにつながっていると感じていますか?

乙川 大規模プロジェクトでは、一つの領域を深く掘り下げクオリティを追求できる一方で、少人数のプロジェクトでは幅広く関わることで先の工程を見据えて自ら動く力が身につきます。それぞれ得られる経験が違いますし、こうした経験はどちらもクリエイターとしての自力を磨くうえで欠かせないものだと思います。アプリボットでは、大小様々な開発経験がクリエイターとしての総合力につながり、第一線で活躍するクリエイターを生み出すと考え、規模や進め方の異なるプロジェクトに挑戦できる環境をつくっています。そうした経験を積めることも、アプリボットがクリエイターのキャリアを大切にしているからこそだと感じています。

清田 未経験ながらもクリエイティブディレクターに挑戦できることによって、自分のキャリアの選択肢が最大限広がっていると感じていますね。アプリボットには、年次や経験だけで役割を決めるのではなく「挑戦する意思のある人を積極的に抜擢する文化」があります。もちろん、挑戦することはワクワクだけではなく不安も伴いますし、判断を迷うこともありますが、挑戦する文化とともに「挑戦する人をみんなで応援し支える文化」が根付いており、プロジェクト内外の様々なメンバーに相談できる環境があるため、積極的に周囲の知見や経験を活用しながら挑戦できることが、今の成長につながっています。



ーーー今後、クリエイターとして挑戦したいことを教えてください。

清田 私はSFが好きなので、将来的には単にグラフィックをつくるだけでなく世界観そのものをつくる仕事に関わりたいです!その世界ではどのような生物が生まれ、何をエネルギーにし、どのような文化やデザインが発展するのか...そうした世界観の根本から考え、ビジュアルとして形にすることに挑戦したいと思っています。

乙川 今後はUIにとどまらずプロダクト全体やオリジナルIPをつくることにも関わっていきたいです。これまでとは異なるテイストの作品を担当した際は、そのジャンルで求められる表現やクオリティを理解するため、いちから研究しました。普段はあまり触れてこなかった広告や作品にも目を向けるなかで、デザインに対する視野や表現の幅が広がったと感じています。こういった経験を生かし、今後はより広い視点でモノづくりに関わっていきたいと考えています。



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