「世界震撼」というビジョンを掲げ、スマートフォン向けゲームを中心にサービスを提供しているアプリボット。学生時代に創業メンバーとして立ち上げから携わり、現在当社代表を務める浮田に、アプリボットの社風や描くビジョンについて語ってもらいました。
浮田 光樹(Koki Ukita)
サイバーエージェントにエンジニアとして内定し、内定者時代にアプリボットの創業メンバーとして参画。2011年4月に入社後、取締役として主に開発部門を統括。2014年4月に、代表取締役社長に就任。また、2016年12月からサイバーエージェント取締役に就任。
◆領域にはとらわれず、チャンスがあり強みを活かせる市場で戦う
――アプリボットは、どういった会社でしょうか?
アプリボットは、「世界震撼」をビジョンに掲げていて、スマートフォンゲーム事業を中心に、子供向けオンラインプログラミング学習サービス「QUREO」の提供やオタクカルチャーに特化した事業を展開する「株式会社ニジスタ」、新規事業開発に取り組んでいます。アプリボットのビジネスは、大手クライアントのアプリ制作や広告メディアアプリの開発からスタートし、その後、スマートフォンゲーム市場が伸び始めたタイミングで、新しい市場として大きなビジネスチャンスがあると考え、スマートフォンゲーム事業に参入することを決め現在に至ります。このように、基本的には領域にはとらわれすぎず、チャンスがあり自分たちの強みを活かせる市場でやっていこうと考えています。今、取り組んでいる複数の新規開発も、「今このタイミングでこういうものを仕込んでいたら、ヒットサービスになるんじゃないか」、「市場やユーザーから受け入れられるんじゃないか」というサービスをつくっています。
―—アプリボットは、どういう人が多いと思いますか?
シンプルですが、「素直でいい人」が多いと思います。「素直でいい人」というのは、何でも「はい」と言う人のことではありません。組織でモノづくりをしているので、当然、様々な個性を持った人がいます。その中で、相手の強みと弱み、自分の強みと弱みを素直に受け入れられたり、自己否定ができたりする人のことだと考えています。「素直でいい人」という判断基準は、採用のときにとても大切にしていますね。
◆組織のメンタルを強化したい
――アプリボットの組織作りは、どのようにしていますか?
「個」もそうですが、「組織」のメンタルを強化するための施策は、常に考えています。サービスの調子が良いときは組織の状態も良いのは当たり前ですが、苦しいときにこそ組織力を発揮できるようにしたいと考えているからです。そのために必要なのは、「人のつながり」だと思っています。当社では、定期的にバーベキューや飲み会、部活動などを行い、メンバーをつなぐ機会を設けるようにしています。こういったことはやって当然のことかもしれませんが、さらに職種間の垣根をなくすために、企画職・エンジニア・デザイナーそれぞれが互いの仕事内容について教え合う「ユニデザ強化合宿」や「ゲームクリエイター登竜門」などの施策も実施しています。「ユニデザ強化合宿」は、2泊3日の合宿で、エンジニアがデザイナーにUnity技術について教え、実務レベルに引き上げることを目的に行っています。また「ゲームクリエイター登竜門」は、基本的にプランナーが考える「ゲームデザイン」(ゲームを設計すること)の基礎知識をエンジニアも学んで、会社全体の開発力を底上げしようと取り組んでいます。こういった施策を平時に実施していくことで、職種やプロジェクトの垣根を越えてつながりができ、相互理解が深まり、組織としてのメンタル強化につながると考えています。
▼ユニデザ強化合宿
▼ゲームクリエイター登竜門
――他にアプリボットらしい取り組みはありますか?
組織で働く上で共通の「意識」も大切だと考えているので、アプリボットでは、「Applibot Membership Compass」(AMC)という考えを掲げています。
これを作った理由としては、アプリボットの評価軸である「事業成果」と「組織貢献」の2軸のうち「組織貢献」の具体化をもう少しした方がいいと考えたからです。実際は、具体化というより「組織で働く上で誰もが時に陥ること」を軸にまとめたので、AMCの7つのメッセージは、組織で働いたことがある人であれば、どれかは心当たりがあることだと思います。自分の正当化のためについつい他人を否定したり、誰でもできるが誰かがやるべき仕事から目を背けてしまったり、私自身、少し思い返しただけでもそういったことをしてしまったことがあります。私のためのAMCな気もますが…(笑)7つ目の「成果はすべてを潤す。」は、一つだけ毛色が違うものにしました。「事業成果」と「組織貢献」の2軸は決して独立しているものではなく、相関しているものだと考えています。何のために良い組織を作ろうとしているのかというと、それは大きな成果を出すためです。このAMCは、強制するものではなく、組織の中で、自分の行動を後からでもきちんと内省するための「立ち返りツール」として機能し定着することを望んでいます。毎日、顔を合わせるメンバーだからこそ、少しでもAMCの内容を意識して過ごしてもらえるといいなと思っています。
◆カンパニー制で責任を持たせる
――各プロジェクトの運営体制は、どのようにしていますか?
1つのプロジェクトを会社のように運営する「カンパニー制」を導入しています。現在社内には10個のカンパニーがあり、人事権から予算運用まで、事業に関わる全ての裁量をカンパニーのトップが担います。各プロジェクトメンバーの採用もトップが必ず最終面接をします。アプリボットは、「自分の組織を持ちたい」「責任者をやってみたい」という考えを持ったメンバーが多いので、各カンパニーのトップに、裁量権を持たせ気持ちに火をつけることは、大きな成果を出すことにつながると考えています。また、社内にいくつものカンパニーがあることで、お互いにアドバイスし合えるのも良いところだと思います。
――トップに就くのはどんな人でしょうか?
「このプロジェクトを絶対成功させたい」という気持ちが1番強い人を選んでいます。「とにかく大きな成果を出したい」「その事業領域が好き」などモチベーションの源泉は何でもいいですし、経験があるかどうかも関係ないと思っています。例えば、今年リリースした子供向けオンラインプログラミング学習サービス「QUREO(キュレオ)」の責任者は、当時は内定者でした。彼は、内定者アルバイトで入社したときから新規事業を立ち上げたいという思いがあり、新規事業開発コンテストで案が通って、責任者として開発をスタートさせました。経験はないながらも、誰よりも熱い思いを持って、周りから色々言われてもそれを受け止めてとにかく前に進めようとしてくれたので、無事リリースに至ったと思います。
◆自分の目で確かめる
——メンバーの様子は、どのように見ていますか?
毎日、1〜3階まで全フロア、必ず行くようにしています。自分の部屋に1人でいると寂しいという理由もありますが(笑)そのときに、メンバーと会話をして、具体的なアドバイスをするときもあれば、単純に雑談をするときもあります。今、250人くらいの規模なので、自分の目で現場をしっかり見たいと思っていますし、私は社外の人と接する機会が多いので、会社にいるときはアプリボットのメンバーとコミュニケーションをとることを大事にしています。例えば、役員会やリーダーミーティングなどで「○○さんが今調子が良いんですよ」と聞くことがあるので、そういうことを本人に伝えるようにしています。直接褒められるのも嬉しいと思いますが、第三者から言われると嬉しいと思いますし、上司や周囲の人が自分のことを周りに良く言ってくれていると思うと、その人への信頼感も高まりますよね。
——直接話すことを大事にしているのですか?
直接、面と向かって話すことは大切だと思っています。テキストのみでやりとりすると、意図がきちんと伝わらずトラブルが起きてしまいがちだと思うんですよ。時代から逆行している考え方かもしれませんが、当社は働き方としてリモートワークを取り入れていません。みんなで顔を合わせて、日々こうしよう、もっとこうしたほうがいいんじゃないかと言いながら、苦しいときも楽しいときも時間を共にすることが、モノづくりの尊さだと考えていますし、そういうことに価値を感じる人と働いていきたいと思います。
◆世界を震撼させるサービスをつくりたい
――今後の展望を教えてください。
「世界震撼」というビジョンを掲げているので、今後、世界でヒットするサービスを作りたいですし、それを一緒に作り上げる人たちがイキイキと働く会社でありたいと思っています。これから色々な課題が出てくると思いますが、それすら楽しめる人や一緒にやっていける人たちと働いていきたいです。この思いに賛同してくれる人を1人でも増やして、あまり形にはとらわれず、さまざまな事業に挑戦していきたいと考えています。
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