GDC2019初参加!驚き、感動、悔しさ…多くの刺激を受けた視察報告

こんにちは。

新規ゲーム開発プロジェクトでプランナーをしているNTです。

アプリボットの企画職の一員として、GDC2019に参加してきました。初めてのGDC参加だったので、勉強になったこと、感じたことをブログで執筆したいと思います。


◆GDCの紹介と行くまで

GDCとは、Game Developers Conferenceという米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催されたゲーム開発者のための会議です。今回参加したGDCでは、Googleが発表したクラウドゲーミング・サービス「STADIA」が最も目立っていました。多くのコンテンツがある中で、今回は「Conference」と呼ばれる、プレゼンターからの発表を拝聴し、質疑応答を行うセッションに数多く参加してきました。GDCに参加できる日は現地時間3/19~21と限られていたため、800近くあるセッションの中から事前に強く興味のあるものを選んでおき、細かくスケジュールを組んでから参加しました。また、セッションの聴講で得られるものがより良くなるように、聴講予定のタイトルを事前にかなりやり込んでからGDCに臨みました。


※GDCについて

https://www.gdconf.com/


◆どうして私がGDCに

どうして私がGDCに参加することになったかというと、簡単に申し上げると社内の選考で選んでいただいたからです。アプリボットでは、ゲーム分析力を磨くレポート執筆施策「SUPERプレイヤー」というものがあり、この施策に参加していたメンバーの中からGDC参加者を選ぶということになっていました。「SUPERプレイヤー」という施策については、また別の記事で詳しく書かせていただけたらと思います。私自身、企画職として技術を向上させたいという思いがあったため、「SUPERプレイヤー」には積極的に参加していました。そして、提出していたレポートで良い評価をいただいたため、GDCに参加する企画職の3名のうちの1名として、幸いにも声をかけていただきました。

     ▲GDCオブジェ


◆GDCセッションでの学び

現場でセッションを聴講して学びとなったことは数多くありますが、代表して挙げるとすれば2点あります。1つは「コンセプト」が重要であること、もう1つは「開発の進め方」が重要であることです。当然といえば当然の項目ですが、改めて感じたので挙げさせていただきました。


まずは「コンセプト」についてお話していきたいと思います。GDCでは20ほどのセッションを聴講しましたが、何度も「コンセプト」というゲームの核となる部分の掲げ方、ブレイクダウンの仕方を耳にしました。セッション内では、具体的な開発中のトライ&エラーの事例や、完成品の映像を織り交ぜながら、「コンセプト」が如何にしてゲームになっていくのかを詳しく説明していただきました。ゲーム全体に「コンセプト」が存在しつつも、ゲームの各機能にも「小コンセプト」を掲げて開発を行なっているケースが多かったことが特に印象に残りました。海外のゲームやコンシューマーのAAAタイトルの開発の仕方を聞くことは初めてだったため、大きな収穫でした。私もゲーム開発者の一人として、普段から核となるものが何なのかを見極められるよう、また核となる「コンセプト」を自ら掲げられるように訓練をしていくことが必要だと感じました。

     ▲セッション開始前のホールの様子


もう一つは「開発の進め方」について。昨今、日本国内でもCEDECなどで様々なワークフローや手法が紹介されていますが、今回私が聴講して印象的だったのは「テストプレイ」でした。GDCのいくつかのセッションでは、例えば、キャラクターが舟を漕いだ時の速さや操作性、バトルゲームの中に盛り込む謎解き要素の量、難易度の名前のつけ方のような「テストプレイ」の具体的な内容や、行う頻度、集計の仕方を事例をもとに細かく伝えてくれていました。私自身、以前より書籍を読み、「テストプレイ」が何であるか、どのように行うか自体は知識としてあったのですが、GDCのセッションに参加したことで、「テストプレイ」を行う意義やゴール設定をする際に肝になる部分が自分なりに掴めたと思っています。また、意外だったのは超人気作品や大きな開発規模のゲームだったとしても、「テストプレイ」以外の部分の開発の進め方は実に堅実で、基本に忠実だったことでした。とにかく、ローマは一日にして成らず、というような心持ちのもと一つずつ積み上げて行くことが重要であると強く感じました。


セッション以外でもGDCの会場では、ボードゲームで遊べるスペースがあったり、売り込み中のインディーズゲームを実際に試遊できたことも非常に楽しい思い出となりました。

     ▲ボードゲームのプレイスペース


◆帰国後

帰国後はGDCの参加報告会を行いました。聴講してきたセッションの概要、セッションを通しての自分なりの学びや所感をまとめ、70名程度のSGEの方にお集まりいただき、拙いながらも発表させていただきました。


※SGE(Smartphone Games & Entertainment)とは

サイバーエージェントのゲームやエンターテイメント事業に携わる10社以上の子会社が所属する事業部。


     ▲社内報告会の様子


また、IGDA日本主催のGDC報告会にも足を運び、GDCに参加されていた他の企業の方からも貴重な情報をいただくことができ、非常に有意義でした。


※IGDA日本(International Game Developers Association IGDA)について

https://www.igda.jp/


◆結び

初めてGDCという世界規模のカンファレンスに参加させていただき感じたことは、まだまだあります。世界レベルの高さに対する驚き、最先端技術に触れられたことのワクワク、そしてGDC Awardsの発表イベントへ参列した時のスケールの大きさと、それと比較したときの自分個人のちっぽけさ、さらにそれから転じた「やってやる!」という反骨心。中でも、GDC Awardsでは学生だけで作ったゲームが評価され受賞をしていたのです。一人のゲーム開発者として、何も感じないわけがありません。どれも今までにない刺激となりました。私は今後もゲームを作り続けたいと思っていますが、こういった感情の一つ一つを面白いゲームの素として盛り込めるよう日々精進し、「こいつをGDCに行かせてよかったな」と思っていただけるよう、世界を震撼させるようなゲームを作り上げたいと思います。